FP岩崎の「知っトク通信」(老後破たんの回避方法)

老後のお金の準備を始めるには、早すぎるということはないでしょう。
しかし、何をどう始めればいいかわからないという相談者が多いのも現実です。

定年後の生活費は低くならないという事実

家計の支出を知るデータとしては、総務省が発表しているデータがありますので、
こちらを参考にします。
平成29年度の家計調査報告(家計収支編)では、二人以上の世帯の消費支出を世帯主の年齢階級別にみると,60~ 69歳の世帯は290,084円,70歳以上の世帯は234,628円となっています。
また、二人以上の世帯のうち無職世帯を見てみると、65~69歳の世帯は264,661円70~74歳の世帯は243,416円、75歳以上の世帯は215,151円です。
一方、各年齢別の可処分所得は、60歳~69歳の世帯で189,422円、70~74歳の世帯で177,360円、75歳以上の世帯では176,277円となっています。

これを基に100歳までの「収入―支出」の累計額を計算すると
65歳~69歳   △約7.5万円×5年=△450万円
70歳~74歳   △約6.6万円×5年=△396万円
75歳~100歳 △約3.9万円×25年=△1170万円
合計金額は、約2,016万円となります。

緊急予備資金を備えておく

ライフスタイルが多様化している現在、定年後の必要となる資金を計算するためには、個々の人生設計に基づくマネープランが欠かせません。
一般的に、生活資金の他にかかる資金としては、緊急予備資金やお葬式代、お墓代等が挙げられるでしょう。
老後の緊急予備資金は、現役時代と異なり金額が大きくなる可能性があります。
その要因の1つが、住宅・設備の老朽化への対応、段差の解消や手すりの設置といった高齢化に対応した「家のリフォーム」。2つ目が、「介護」です。
要介護の認定を受けた人は75歳以上で約4人に1人※という現状を踏まえると、介護状態に陥る場合も想定しておく必要があります。※参考:平成28年版 高齢社会白書

お葬式やお墓に関しては、個人個人の考え方や環境その他によってかかる費用は異なってくるでしょう。
仮にお葬式代、お墓代にそれぞれ200万円ずつ、緊急予備資金として600万円として1,000万円を準備しておきたいとすると、先ほど算出した「生活費の赤字補てん金額」と合わせて3,000万円が必要な準備金額となります。

定年後の収入や支出について「見える化」する

老後に対する不安の多くは、「老後の収入・支出が見えない不安」からです。
その結果十分な備えがある世帯でも資産の計画的な取り崩しが進まず、過度な節約になっている場合もあります。
老後の資金準備を計画する上では、上述のように定年後の収入や支出について「見える化」することがポイントとなります。
そして、目標額が決まればその手段や方法を考えることになります。
しかし、現役時代の資産形成期では、子供の教育資金、住宅ローン、親の健康問題等なかなか思うように貯蓄が進まないのが現実ですので、早め早めに少しずつ準備することが大きな「差」になります。
例えば、時間を味方につける方法として、積立NISAなどを活用して毎月2万円を30年間、利率3%で運用できたとすると、積立金額は約1,165万円になります。
また、 自宅を自分たちの世代で住み終えて後の遺さないのであれば、自宅を担保に老後資金等の融資を受けるリバースモーゲー ジを活用することも手段の1つになります。

どのような手段や方法で備えるかは個々の家庭によって異なりますが、これからの家計の健全経営には「計画と実行、リスクマネジメント力」が欠かせないと言えるでしょう。